
プログラミング的思考って最近よく聞くけど、論理的思考と何が違うの?

似ているようで微妙に違うんですよね。
結論から言うと、プログラミング的思考は論理的思考を土台にした「試行錯誤して目的を達成する力」です。
- プログラミング的思考と論理的思考の違い
- なぜ今プログラミング的思考が注目されているのか
- 幼児期から家庭で育てるコツ
教育学部出身でプログラマーの知見を持つ私が、図や具体例を交えながらできるかぎりわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください!
プログラミング的思考と論理的思考の違いを図で解説

プログラミング的思考と論理的思考の違いは、ひと言でいうと「試行錯誤するかどうか」です。
論理的思考とは、物事を筋道立てて整理し考える力、プログラミング的思考はそれに加えて、手順を組み替えたり改善したりしながら目的を達成する力です。

順番に解説しますね!
論理的思考は「筋道立てて考える力」
論理的思考とは、物事を筋道立てて整理し順序よく考える力のことです。
「なぜそうなるのか」「どうすれば解決できるか」を、順を追って考えるイメージです。
たとえば「宿題が終わらない」という状況で、「なぜ宿題が終わらないのか」を分析する時に
- 量が多いから?
- 時間が足りないから?
- わからない問題があるから?
と、原因を筋道立てて整理していくものをイメージすると良いですよ。
プログラミング的思考は「試行錯誤して目的を達成する力」
プログラミング的思考について、文部科学省は次のように定義しています。
自分が意図する活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要かを論理的に考えていく力
つまり、プログラミング的思考は論理的に考えることをベースにしながら、4つの段階を通して目的を実現していく考え方です。
- 問題を小さく分ける
- 手順を整理する
- 条件に応じて最適な方法を考える
- うまくいかなければ修正・改善する

論理的思考が「整理する力」なら、プログラミング的思考は「整理したうえで動かして、より良くしていく力」と言えます。
【具体例】プログラミング的思考と論理的思考の違いがわかる場面

言葉だけではイメージしにくいので、実際の場面で違いを見てみましょう。
テスト勉強の場面と、私がプログラマーとして働いていた現場での経験をもとに解説します。
テスト勉強の場合
まずはテスト勉強の例を紹介しますね。
同じ「テスト勉強をする」という行動でも、2つの思考ではアプローチが違います。

| 論理的思考の人 | プログラミング的思考の人 |
|---|---|
| ・上から順番にやっていけば、いつかは全教科手を付けられる ・難しい問題も順番だから仕方ない、そのまま取り組む ・とにかく順にこなすことを優先する | ・得意な教科から先にやって勢いをつけよう ・寝る前は記憶力をつけるのに良いから、暗記教科をやろう ・難しい問題は後回しにして、時間があるときに進めよう |
テスト勉強をするというゴールは同じですが、論理的思考が「順番に進める力」だとすれば、プログラミング的思考は「順番を組み替えて、より効率よく進める力」なんですね。
テスト勉強以外にも、料理・部屋の片付け・買い物…など、日常のあらゆる場面でこの違いは現れます。
システム開発の現場の場合
プログラマーとして働いていたときも、プログラミング的思考のある人とない人の違いは肌で感じていました。
たとえばシステムでエラーが起きたとき、プログラミング的思考がある人は次のように原因を見つけます。
- エラーの原因を推理する
- エラーが起きた場所を絞る
- 前後の処理内容を確認する
- 「この処理がおかしい」と当たりをつけ、修正する
- うまくいったら完了、うまくいかない場合は1から繰り返す
「問題が起きたとき何から調べるか」の見立てをするために、エラー内容を小さく分解して、原因を絞り込むのが早いです。
一方、問題を整理せずに最初から全部を確認していると、どうしても原因特定までに時間がかかります。
つまり、「問題が起きたとき何から調べるか」の見立てが早いかどうかで、仕事の進み方が変わってくるということです。

エラー発生時以外でも、営業・システムの業種に関わらず、単に動くものを作れる・設計できる人より、処理の流れを整理し、修正しやすく、再利用しやすい形で考えられる人のほうが、仕事を進めやすい傾向がありました。
そのため、プログラミング的思考は、どんな人でも現場での問題解決に役立つ考え方だと感じています。
プログラミング的思考が論理的思考以上に注目される2つの理由

- AI時代の到来により「問題解決する力」がより重要になったから
- 学校教育も「正解を覚える」だけでは足りなくなっているから

順番に解説しますね!
AI時代の到来により「問題解決する力」がより重要になったから
AIが多くの仕事を代わりにやってくれる時代になりました。
これまで人がやっていた単純作業や情報整理は、AIやデジタル技術でどんどん機械に任せられるようになっています。
そうなると人間に求められるのは、次のようなものに変わっていきます。
- 何が問題なのかを見つける力
- どんな順番で解決するかを考える力
- うまくいかなければやり方を変える力
つまり、「問いを立てる」「試行錯誤する」力です。

まさにプログラミング的思考が担う領域なんです!
単純に答えを出すだけでは対応しきれない場面は、人間の対応として求められる力です。
何が問題なのかを見つけ、どの順番で解決するかを考え、必要に応じてやり方を変えていく力がより重要になると考えられます。
つまり、「正解を覚えている人」より「どうすればもっと良くなるかを考えられる人」が強い時代になっていくのです。
学校教育も「正解を覚える」ことから「過程を考える」方針に変わってきているから
これまでの学校教育では、
- 歴史の年号を覚える
- テストで正解を早く正確に答える
といった「正しい答えを覚えること」が重視される傾向にありました
もちろん、基礎知識は今でも大切です。ただし、現在は、知識を覚えることに加え、
- 初めての問題にどう対応するか
- うまくいかないときにどう改善するか
- 限られた時間でどう工夫するか
といった、「考える力」を重視する方向にシフトしています。
考える力を重視する過程で、小学校ではプログラミング教育が必修化されました。目的は、プログラマーを育てることではなく、
- 順番を考える
- 原因を探す
- もっと良いやり方を試す
といった、思考力や問題解決力を育てることにあります。
つまり、これからの子どもたちに求められるのは、論理的思考を土台にしつつプログラミング的思考まで育てておくことなんです。
実際、プログラミング的思考を身に着けることによるメリットはたくさんあります。
どんなメリットがあるの?と気になる方は、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
プログラミング的思考を育てるための3つの習慣


プログラミング的思考が大事なのはわかったけど、どうやって育てればいいの?

日常の中で、次の3つの考え方を意識してみてください!
- 大きい問題を小さく分ける
- 手順を考えてから動く
- うまくいかなければ原因を考える
この3つは、大人にも子どもにも共通して役立つ考え方です。

親がまず日常で実践し、「どうする?」「なんでだろう?」「次はどうしてみる?」と声をかけることで、子どもにも少しずつ伝わっていきますよ。
大きい問題を小さく分ける
大きな問題を一気に解こうとすると、どこから手をつければいいか分からず行き詰まりやすくなります。
「まず何から始めるか」「この問題はどんな小さな問題に分けられるか」と考える習慣をつけると、動き出しやすくなるんですね。
たとえば部屋を片付けるときに「片付けるものはおもちゃ、本、洋服」と分解して考えるイメージです。
手順を考えてから動く
「とりあえず始める」のではなく、「どの順番で作業するのがスムーズか」と手順を先に考えるようにしてみてください。
手順を先に考えることで無駄な作業が減り、効率が上がります。
先ほどの片付けの例なら、「まずはおもちゃを片付けて、次は本、最後に洋服を片付けよう」という風に、戻す場所が同じ物ごとに取りかかるイメージです。
うまくいかなければ原因を考えて変える
うまくいかなかったときは、「なんでうまくいかなかったか」を考えて次に活かすことを習慣づけましょう。
失敗を責めるのではなく、原因を見つけてやり方を変えることが大切です。
たとえば、積み木が崩れたときに、「下が小さかったかな?」「もっと広く置いたらどうかな?」と一緒に原因考えて次を試してみるようなイメージです。
プログラミング的思考を育てるコツ
プログラミング的思考を育てるには、「試行錯誤できる遊び」と「考えるきっかけになる問いかけ」の2つが大切です。
なぜなら子どもは、体を動かして試し、うまくいった・いかなかった経験を積み重ねながら「どうすればうまくいくのか」を学ぶからです。
- 試行錯誤できる遊びを増やす
- 答えを教えるのではなく問いかけをする

順番に解説しますね!
①試行錯誤できる遊びを増やす
子どもは遊びの中で「どうすればうまくいくのか」を何度も試しながら学んでいきます。
そのため、正解を教えられる遊びよりも、自分で考えて試せる遊びを取り入れることが、プログラミング的思考を育てる近道です。
たとえば、
- 積み木やブロックで「どうすれば高く積めるか」を試す
- 「どっちの道が近いと思う?」と選ばせて実際に歩いてみる
- お手伝いで「どの順番でやると早いかな?」と一緒に考える
のような、実際に「試す→考える→やり直す」と経験する繰り返しがプログラミング的思考の土台になります。
答えを教えるより問いかけをする
子どもが困っていると、つい「こうすればいいよ」と答えを教えたくなりますよね。
ですが、子ども自身で考える時間を作ることが大切です。
たとえば、積み木が崩れたときに「下をもっと広くするといいよ」のように対策方法を言ってしまうのではなく、
- 「どうして崩れちゃったんだろう?」
- 「次はどうしてみる?」
- 「ほかに試せそうな方法はあるかな?」
となぜそうなってしまったか考えてみたり、次に試すべき方法をアドバイスしてみてください。
うまくいかなかったときに自分で考えさせるやり取りを繰り返すことで、子どもは原因を考え、別の方法を試し、改善する経験を積み重ねていきます。
答えを教えるのではなく、「考えるきっかけ」をつくることが、プログラミング的思考の土台を育てることにつながります。
具体的な遊び方や家庭での実践方法
プログラミング的思考は、特別な教材やプログラミング教室だけで育つものではありません。
料理のお手伝いや片付け、買い物など、毎日の生活には「順番を考える」「試して改善する」場面がたくさんあります。

日常の中で親子が一緒に考える時間を増やすことが、子どものプログラミング的思考を育てる近道ですよ!
具体的な遊び方や家庭での実践方法は、こちらの記事で詳しく紹介していますので、気になる方はぜひこちらも参考にしてみてくださいね。

プログラミング的思考と論理的思考の違いについてよくある質問

- Qプログラミング的思考と論理的思考は、結局同じものですか?
- A
重なる部分は大きいですが、同じではありません。
論理的思考は「筋道立てて考える力」、プログラミング的思考は「筋道を立てたうえで試行錯誤して目的を達成する力」です。
プログラミング的思考は論理的思考を土台に「分解」「手順化」「改善」の視点が加わったものと考えるとわかりやすいですよ。
- Qプログラミング的思考は、プログラミングができないと身につきませんか?
- A
いいえ、プログラミング技術がなくても身につきます。
プログラミング的思考は、コードを書く力ではなく、物事を分解し、順序立て、改善していく考え方です。日常の遊びや体験の中で十分育てられますよ。
- Q論理的思考があれば、プログラミング的思考も自然と身につきますか?
- A
論理的思考は大きな土台になります。
「効率を考える」「改善する」「試行錯誤する」という視点を意識して使うことで、よりプログラミング的思考に近づいていきますよ。
- Q子どもに教えるのは難しいですか?
- A
難しく考えなくて大丈夫です。
「どうなると思う?」「なんでだろうね?」「次はどうしてみる?」と問いかけの仕方を意識するだけでも十分です。
プログラミング的思考と論理的思考の違いまとめ

論理的思考…物事を筋道立てて考える力
プログラミング的思考…論理的思考を土台に、分解・手順化・改善の視点を加えて、試行錯誤しながら目的を達成する力
AI時代・学校教育の変化もあり、これからは論理的思考のさらに一歩先にあるプログラミング的思考を育てておくことが、子どもの将来の武器になります。
とはいえ、特別な教材やパソコンは必要ありません。
次の3つを日常生活や遊びの中で少しずつ意識すればOKです。
- 大きい問題を小さく分ける
- 手順を考えてから動く
- うまくいかなければ原因を考えて変える
「なんでだろう?」「次はどうする?」というやり取りの積み重ねが、プログラミング的思考を育てていきます。
幼児期からの具体的な家庭での実践方法は、こちらの記事にまとめていますので、ぜひあわせて読んでみてください!




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